公益財団法人金子国際文化交流財団、アジア、奨学金、

二代目理事長のことば

二代目理事長 金子泰雄のことば

初代理事長金子泰藏先生のご子息で二代目理事長金子泰雄先生は当財団の理事長を長く務め、活動の幅を拡げました。

当財団「30年の歩み」(2015年)より抜粋

 

戦後の日本の発展を支えてきた大きな目標の一つは、官民協力体制の下で国民が一丸となり、欧米の先進諸国のレベルに追いつき追い越すことでありました。経済大国と呼ばれ、その目標を達成しつつある現在、日本の果すべき役割とは、どのようなものでしょうか。
 日本は経済的には、巨額な貿易黒字を抱えた債権国となりましたが、それは、復興期における諸外国の援助並びに協力があったからこそ実現されたものであり、当然「持てる国」に仲間入りした後では、それなりの義務を果さなければなりません。ただし、発展途上国への経済援助等、いわば「持てる国が持たざる国に与える」という姿勢だけでは、不十分であります。経済的な発展を目標においた結果、金儲け至上主義の批判が生まれ、国際社会の一員としては、尊敬され敬愛される日本(人)との認識を持たれているとは、思われません。アンフェアーな取引による利益はそれを還元すべきとまでいわれては、経済援肋に何の意味も無くなってしまいます。

 

 プレジンスキーのいう「アメリッポン」構想は、日米合わせて自山世界のGNPの約半分を占める程巨大なものではありますが、反面、欧州やアジアの諸国からみれば、不安感を持たれる要因にもなっております。
 また、諸外国の「日本に対する認識の浅さ」という大きな問題もあります。日本の経済力、工業生産力に関しての知識、情報に比して、歴史、文化、社会構造といった側面の理解に乏しく、違和感ばかり感じられるという把握に留まっているのが、現状でしょう。

 

 真に目本の「国際化」を考える際には、経済援肋だけでは得られない、相互理解という文化的な側面が重要になってきます。国際社会での日本を無視できない現状に鑑み、日本の役割を決して過小評価すべきではありません。相手を本当に理解するには、まず日本が、諸外国の外圧による受け身の国際化ではなく、自ら「商人国家」といわれる産業構造を変えていくことは勿論、国際社会の一構成員に留まらず、積極的な対応が肝要でありましょう。
 幸いなことに、諸外国の若い世代の中には、“日本をよく知りたい”“日本語を勉強したい”という気運が高まりつつあります。最近の統計によれば、来日して日本語を学んでいる社会人、留学生が約3万5千人、海外の大学、高校等で日本語を学ぶ人が、75力国で60万人という事実もあります。いわば、「諸外国の日本人化」も僅かずつではありますが、着実に進行しております。
 いまの日本には、単なる国益の追求を超えた次元、いわゆるグローバルな視野(地球社会の一員として)に立脚しての価値の追求が求められているといえます。

 

 当財団では、昭和59年11月の設立以来、各界よりあたたかいご支援、ご協力を得て、国際問の人的交流を民間レベルにおいて、サポートしてまいりました。現状の山積する様々な課題について、当財団の事業恬動か、ひとつひとつ着実にそれらの解決の方策を見いだす一助となる様、微力ながら最善を尽す所存です。今後とも皆様のご支援、ご協力の程、お願い申しあげます。

 

 
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